打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?


監督・脚本:岩井俊二

出演:

山崎裕太

奥奈 恵

反田孝幸

 題の岩井俊二作品を初めて見たのだけど、こういうのがはやっているのかなあという感じ。彼の作品のどこに惹かれるのかはよく分かりません。ストーリーの途中で、もしこうだったらという少年の後悔の念を実現するストーリーに行ってしまうけれど元の時間軸にはかえらないままで終わってしまうので、すっきりしません。あらすじを書くのって得意じゃないんだけど、書いてみますか、

 ずな(奥奈 恵)の両親は離婚してしまう。両親の勝手な都合で夏休みが明ける前に転校しなくてはならなくなってしまった彼女は心密かに駆け落ちを計画する。掃除をさぼってプールで50メートルの競争をしていた ノリミチ と ユウスケ、勝った ユウスケ に なずな は「2人だけで花火大会に行こう」と誘う。なずな との約束をすっぽかして自分はシンジ達との賭けに出かけるユウスケ、その賭は「花火は横から見たら平べったいか、丸いか」だった。ユウスケが来ないことを伝えに行ったノリミチはそこで「あなたが勝つと思ったから賭けたのに……。」と なずな に打ち明けられる。もう裏切られるのは嫌だと言う なずな。だが、ノリミチは彼女を連れ戻しに来た母親を前にしてなんの抵抗もできない。

 「あの時自分が勝っていれば……。」後悔するノリミチ。ストーリーは一度逆行し、ノリミチが勝っていた場合のストーリーを展開する。(ここらへんよく分からない)さんざん なずなの駆け落ちに振り回されるノリミチ。学校のプールに忍び込んだ2人を描く青を基調とした照明は綺麗だ。濡れた髪のなずなが「今度会えるのは二学期だね……。」と言って去っていく。

 なずなと別れた後ノリミチは浜で残り玉の花火を打ち上げてもらう。その花火をシンジ達も灯台から眺めていた。果たして打ち上げ花火は丸かったのか、平べったかったのか。

 〜めんどくさい、何をどのぐらい書いたらいいのやら見当がつかない。取り留めのないストーリーで、説明するのも難しい!何しろ途中で、”もしもノリミチが勝っていたら”の話が出た後はずっとそのままでラストまで行ってしまうものだから、これがノリミチの空想の産物なんだか、どうなんだかよく分からなくなってしまう。こういう映画の楽しみ方を僕はまだ知らない。この作品で非常に注目されたというのだけれど、一体どこにそれほどの価値があるのか分からない。ストーリーを無視してつなぎ合わせたCFを楽しむつもりで見れば面白いのかも知れないけれど、なんだかテレビのコマーシャルを見ているような画面はこびで、思わずローソンとかセブンイレブンなんて口ずさんでしまいそう。長時間をもたせる構成力は長時間視聴する生命力を失った観客達には無用の長物ということなのだろうか?ヒットの法則というものがつまらないものしか生まない、ヒットするものはつまらないという現象にはそろそろ飽きてきているんだけど。まだ続くのかな?こういう風につまらないと思えるものを見てしまったときは考えるべき点は2つ、本当にその映画がつまらないか、自分にはその映画を楽しむだけの能力がないかのどちらかしかない。ということでこの監督の他の作品を当たってみることにする。


メールはこちらです
ご意見ご感想アンケート

ビデオ紹介のページに戻ります