攻殻機動隊


 井守 監督はアニメで生きる監督。実写作品は本当に惨めでどうしようもないのに、アニメとなるとこんなにかっこいい作品を撮ってしまうんだなこれが、世界同時公開だったはずなのに、アメリカではまだ劇場公開されていないゾ。イギリスでもまだだったような気がする。おかしいなあ。なんか日本ではそういう話で盛り上がっていたみたいだけど事実は全然違っていたんですねえ。まだ知らないで結果的に騙されたままのファンって多いんじゃない?一応事実はおさえておきましょう。で、そういうことを含めてもやっぱりこの作品は素晴らしい。映像表現の凄さにばかり気を取られてしまいがちだけど、音楽だって声優さんの演技だってなかなかのものですよ。映像だけであそこまで引き込まれるってことは無いよね、音楽も素晴らしいし、シーン変わり目のテンポもいい。ストーリー自体はあっと驚くようなものではないけれど、(今の時代、そういうものを求めること自体無理ですが、)作品の創り出す世界の中に引き込んでいくその総合力に拍手です。光学迷彩の表現を雑誌などで見たときにはどうとも思わなかったんだけど、動きと音が入ると背筋ぞくぞくモンなんだこれが、ちなみに光学迷彩っていうのはどうやら光を屈折させて人間を見えなくさせてしまうヤツらしい、軍隊の迷彩色の服なんかがハイテクを使い始めるとあんな感じになりそう。エスカフローネに出てくるステルスマントなんかはここからアイデアを採ったのかも知れない。
 作の方を見ていないので、何とも言えないのだけれど、実は結構ストーリーの方も哲学していたりするので、セリフとか注意して聞いているとちょっと考えさせられたりする。ただ、これはオタクって人種の特徴なのかも知れないけれど、予備知識のない人間にとっては難しすぎるものを連発しすぎる傾向があるよね、で、分からないヤツは分からないでいいという表現者と話が分からなくったって面白けりゃいいジャンな観客との間に妙な誤解が出て来るみたい。分かるように表現するということも大切なんだということを忘れて突っ走りすぎると妙なことになってきそうだなあ。つかれてきた。このへんで。

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