15日まで22west34th 5Fでやっている演劇、「続・同僚物語 ニューヨーク篇」の演出を担当された岡田俊二氏に会ったのは実はこれが二度目なのだが、色々とお話しが出来たのはこれがはじめてのことだ。ウルトラマンのお面を斜めに掛けたままの姿がお笑いにならないあたりがやはり不良である。
かなり値の張るジャケットなんかにあっさりとピンを刺したり、Tシャツを切り取ってしまったりするところに驚いてしまうあたりが、まだまだ私も甘いところなのだが、そのカッコよさは高い値段のものを切り取ったり、穴を明けたりするからでは勿論ない。そういう出来事に驚いてしまう私のカッコ悪さは、高いものに穴を明けたりすることに驚くというカッコ悪さなのだが、岡田さんのカッコよさはそういうものとは別次元である。当然そうでなくてはカッコいいわけはない。
岡田さんの持ち物は岡田さんのモンだ。岡田さんのトラサルディだとかクロムハーツだとかその他モロモロのブランドの名前を当てはめて、その上にウルトラマンのお面とかゴジラの人形とかずらっと並べてみると、ブランド名がどうかしたのかよって気になってくる。そんなのどうでもいいじゃん、全部岡田さんのものなんだから。どこぞのジャケットに穴を明けるのも、どこぞのスーツをセーターの上から着てしまうのも、コンピューターの上に貼ったステッカーをはがされるとムカツクのも、それはすべてちゃんと岡田さんの持ち物になっているからだ。
自分の持ち物なのだから穴を明けようが切り取ろうがステッカーを貼ろうが自由なのだ。奇をてらっているわけではない、自分の持ち物を自分の好きなようにしているだけのことだ。そういうところからも自由のかおりがしてくるあたりが本物の不良である所以なのだ。
自分のものをちゃんと自分のものにしているか?自由というのは自らに由ると書く。そのことを忘れていないか?奴隷とか束縛の反対語である"FREE"なんて言葉じゃ自由になれないぜ。自由は束縛の反対語なんかじゃない。自らに由る自由がある奴だけが、自分のものを自分のものに出来る。岡田さんはそういう数少ない不良の大人なのだ。みせかけの不良君達、これから不良が芽生えはじめている元優等生達、ここにある存在はどうだ?もういいわけは出来ないぜ。