インプレス・ショック


 なんじゃこりゃあ! と私が叫んでしまったのはメールの数を見たときだ。ネットスケープを立ち上げてメールのチェックをはじめたとたんに表示された大量のメール。その数285通。表紙のボタンはメールで送られてくる仕組みなので、ほとんどがボタンであることの予想はついたが、どうしていきなりこんなにアクセスが増えたのかわからない。ボーゼンとしながらメールが落ちてくるまで5分間。これだけの量をリスト化しなければならないのかと思った瞬間に幽体離脱しそうになった。

 しも靴の販売のホームページの立ち上げの打ち合わせから帰ってきたばかりの所へこの作業量はむごい。ホームページのアクセスカウンターをチェックすると、すでに3000を超えている。

「おいおい、昨日は1350だったんだぞ。」

これから始まる1週間がどうなるのか、俺はもう知らん。すでに表情はひきつり状態を超越して、もう、わらうしかない。あああ〜目が笑っていない〜。と、その最中にもメールはどんどん届く。メールの着信を告げるピコピコが目障りだ。

「ええい、うっとおしい!」

再度チェックすると、さらに14通のメールが……。たったの5分で14通。気分が悪くなってきた。内容のチェックは明日にしよう、今からこんなものをチェックしたら死んだりはしないが、まともな人間でいられる自信がない。沈没。

 4時間の睡眠の後、再度アクセス。さらに120通のメール。メシのネタになりそうな靴の販売のページの方を先にやることにする。と、そこで思いだす。

「そうか、インプレスだ。」

掲載されるという通知は来ていたのだが、それからしばらく経っていたし、少しづつアクセスも増えてきていたのでもう掲載されたものと思っていたのが間違いだった。スゲエ威力だインプレス。しかし、そうだとするとこの現象も一過性のものに過ぎないということになるのかも知れない。来週になったらペースも落ちて落ち着くだろう。

 いうことで押してよリストの作成に手間取っているうちに来週になってしまった。うん、大分落ち着いてきたな。しかし、今回インプレスの記事を見て来てくれた人達のうちでどのぐらいの割合の人がコンスタントにここに来てくれるんだろうか。先週やってきたアクセスの洪水は一瞬私をアブナイ人にした。この程度のことで天狗になってはいかん!調子にのってはいかん!と思いながらも顔はニヤける。このような状態で文章など書いたら愚劣極まりないものを書いてしまいそうである。なーんて文学者が言い出しそうなことを考えるあたりがもう末期症状だ。この状態が一過性のものとなってしまうとなんだか寂しいなんて思ってしまうからコワイ。

 んなことで玄人になったような錯覚に落ちてはいかんのだ。ああっ!返事のメールに書いた内容が偉そうで鼻持ちならないものになってしまう。バカモノ!パブリックなものとパーソナルに書くメールとは性格の違うものなのだという事を忘れたのか!こらこら、送信ボタンを押すんじゃない!

 ういう混乱のインプレス・ショックの日々であった。葛藤。


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