突起物がお好き


 い何カ月かまえの新聞でのことだ。呆れ果てるような記事が出ていた。これから何年計画で日本全国各地の道路に突起物をつけたり、いきなり道幅を変えたり、わざと道をねじ曲げたりするのだという。またもや馬鹿な政治家達の考えそうなことだ。こんなことをして得をするのは一体誰かを考えれば、「交通安全のため」などという理由づけが大ウソというのはすぐにわかることだ。
 うやら建築業者に便宜をはかるとまだまだ得する奴らがいるらしい。走りにくい道をつくればスピードを落とすことになるので事故が減るだなんて馬鹿な話は初めて聞いた。事実は全くの逆なのだ。走りにくい道をつくればつくるほど事故は増え、生産効率は下がり、消費者にも企業にとっても悪いことだらけなのだ。途中で道幅が狭くなるような道をつくればどういう事になるかは誰にでも察しがつくことだと思うが、それまで2車線あったものが急に1車線になったりすると、その道に慣れていないドライバーは十分に速度を落とすことが出来ずに道を飛び出してしまう可能性が高い。あちこちで不必要な交通渋滞をひきおこすことになるので、流通、運輸、それらに関わるあらゆる業種で著しい効率の低下をもたらすことになる。歩行者にとってもいつ自動車が路肩に飛び出してくるかわからないのだから、安心して散歩も出来ない。最も深刻な被害に遭う歩行者は通学途中の学生だろう。特に小学生が危ない。学校に通う時間帯というのは通勤時間帯でもある。道路が走りにくくなったからといって会社の始業時間は遅くはならないし、納品先のクライアントも待ってはくれないのだ。つまり、この時間帯に不必要な渋滞が集中する上にどの車も走りにくい道を今まで以上のスピードで走らなければならなくなってしまうということだ。これはこわいぞ。そのうえこれだけでは飽き足らず、突起物まで道の真ん中に据え付けるというのだからこいつらは完全なアホだ。そんなことしてみろ、雨の日なんかはあぶなっかしくてブレーキもかけられないじゃないか。サスペンションだって痛んでしまうし、燃費も悪くなるわけだから、石油資源の浪費と大気汚染がますます進むだけじゃないか。いいことなんてどこにもない。
 通事故が最も多いのは高速道路ではないのだ、一般道の交差点が最も危険だということは常識だ。問題はスピードなどではない。走りにくい地点が一番危ないということがなんでわからないのだろうか?歩行者、自動二輪、乗用車が同じ道を使わなければならないというのが最も大きな問題で、これらを専用道路で極力分けてしまうだけでかなり事故が減るはずだ。どうせ建築業者に便宜をはかるのであれば、このぐらい抜本的な改革をブチ上げてくれりゃあ予算がかかっても納得も出来るというものを、なんで突起物だの道幅だのセコイ事ばかりやるんだか。他にも小さい問題まで引っぱり出してみればアホみたいな交通行政ばかりやっとるじゃないか。わけのわからん交通標識を直すだけで随分変わるだろうにやっとりゃあせんし、あんたらが馬鹿だということはよくわかっとる。昔フルフェイスのヘルメットを認めなかった理由が笑わせてくれる。「音が聞こえんから」じゃと?しまいにゃあヘルメットの耳の部分に穴を開けたものを認可するとか、そんなことしたら風切り音で尚のこと聞こえんわい!そんなことを昔から繰り返してきたあんたらじゃけえ期待するほうが馬鹿じゃゆうんはわかるけどな、期待はせんといてやるけえ、いらんことするんはやめてくれ。人の税金うまいこと使えんのじゃったら頼むけえ寝とってくれ。

 〜くそ、あんまり腹が立ったけえ口語体で書いてしもうた。とにかく新宿の突起物にしろ道路の突起物にしろ、いらんことに金を使わんで、金使う前に頭使うてくれ。最近突起物がはやっとるんか?
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