履けないスニーカー


 本でもこの頃はスニーカーを脱がせてとりあげる、「スニーカー強盗」だとか、たかがスニーカーの為に殺人が起こったりとか、異常な状態になっている。おかげで自分の好きなスニーカーは部屋の飾りものになっているらしい。

 ューヨークにだって随分前からスニーカー強盗はいるけれど、どんなスニーカーを履いているかで、仲間内でのステータスを表したりする、つまり、彼等なりのプライドを賭けた争奪戦の中で起こっている出来事で、それに対して日本の奴等はのことしか考えていないみたいだ。

 ょっと頭を使えば、金はどうにだってなるし、金があったところで、どうってことのない国に居るのに。もっと本当にほしいものを探せよ。やらされることが多いからって、本当にやりたいと思う事まで、そんなやり方でサボるなんて下らない。

 イキのスニーカー等は安く手にいれる方法がいくつかあるから、そのうち紹介しようと思ってる。慌てて買い占めなくてもいいよ、この調子だと履いてもらえないエアマックスとかが増えそうだ。履くためにつくられたシューズなんだから。履きつぶすのが一番のお洒落だと思うけどな。

 使うときの美しさこそが芸術的なものなのに、投機の対象になってしまってただの飾りものになってしまっている。金持ちが贅沢な車庫のなかに飾っているフェラーリよりも、傷だらけで走り回っているハチロクとかシビックの方が幸せそうだ。

 ェラーリをがんがんぶつけてでも走る粋な奴がいないのが問題だ。金なんかなくてもいいんだよ。

がないことがカッコ悪いんじゃなくて、金がないから何も出来ないと思っていることがカッコ悪いんだ。

ルックスが悪いからモテないんじゃなくて、ルックスが悪いからモテないと思っているからモテないんだ。

才能がないから駄目なんじゃなくて、才能がないと思っているから箸にも棒にもかからないんだ。

 当に気に入ったスニーカーを履きつぶすまで履く。平然と履きつぶす。大事なのはスニーカーじゃなくて、そいつを履いている君自身だ。カッコイイのはスニーカーじゃなくて君自身であるべきだ。


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